貴方が地下室を抜け、埃っぽい小部屋に入り込むと、小さな読書机が目に入った。
読書机の上には古びた羊皮紙が張り付いており、そこにはこのように書いてある。
『俺が生涯かけて集めた稀覯本の数々!
普通の本もあるけれど、どれも自慢のコレクションなんだ。
きちんと元の場所に戻してくれるなら幾ら読んでも構わない。
その為にこの部屋を作ったんだ。
ただし、この書斎から本を持ち出すのはよしてね。
本に魂を取られてしまうかもしれないからね。
Roland.S』
崩れた筆記体で綴られた羊皮紙は不思議な力で読書机の端に固定されている。
どんなに引っ張っても破れないようだ。