SteamMagiaProject - メル

概要

 メル(Mel)とは精霊学問における愛と黄金、雷と執着を体現した精霊の総称である。個体によっては「ロゼッタ」「ベアトリーチェ」とも名乗るという。

精霊学問でのメル

 精霊学問において、ある魔術師の書き残した契約書の一端によればメルはおおむね女性のような姿をしているという。
 他の精霊と同じように気に入ったものにしか自身の力を貸そうとはしないが、一度気に入ったものに対しての執着心が凄まじく、あらゆる手法を使って迫り、その魂を理想郷へと連れて行こうとする傾向がある。

 直接悪戯をすることはないものの非常に我儘で独占欲が強く、悪辣。
 精霊というよりは肉体を持った生命体に近い感情や態度を示すが、それゆえに交渉は大変難しく、また気に入られた人物が彼女から離れようとすればその人物を滅ぼそうとするため危険度が高い。

 黄金色の光を纏い、雷を迸らせる。メルの雷は純粋な力でもあるが象徴を表しており、精霊と契約した一族はメルに愛される限り富と名声を約束されるという。
 一説において、バラの花をよく好むという。

理想郷と伯爵家

 様々な魔術師の書き記した手記を照らし合わせると、メルが誘う《理想郷》とはかねがね以下の条件を満たしたものである。

・音はなく、風と草花の香りだけが漂う。
・昼も夜もなく、時間の概念が存在しない。
・気候の変化はなく、常にまどろむほどの温かさで満たされている。
・あらゆるものが黄金色の光を纏っている。
・精神が溶け込み、世界と一体化できる場所。

 かつてメルによって理想郷に誘われたと言われているエルフの血筋が、現在もイングランドのスタッフォードシャーに存在する。
 一族の庭園にある記念石碑にはメルの存在する理想郷へ至る鍵が書かれているといわれているが、詳細は不明。現在では解読不能の文字で書かれている。
 わずかに解読できた部分から聖杯の一部が発見されており、現在は大貌博物館にて展示されている*1

物語におけるメル

 メルはその性質からか、古くから多くの寓話、民話、および伝承にて書かれている。
 主に悪役として描かれることが多く、シルフやウンディーネが精霊の「善」の部分を説いているのだとすれば、メルは「悪」の部分を説いているとみられる。