SteamMagiaProject - エレナ・アンブローズ
警告
この人物を賛美する描写は固く禁じられています
あなたは古い新聞記事のスクラップノートを見つけた。
『約束の地』消失。犯人はエレナ・アンブローズか
某日未明、巨大なエーテル脈の消失を確認。犯人と思われる女が発見したものとする見方が濃厚
『約束の地』発見の女が失踪、エーテル脈の独占が目的か
……どの記事も、『エレナ・アンブローズ』という女性を稀代の大罪人として扱っているようだ。
あなたが新聞記事のスクラップノートを読み進めると、老いた男の写真がノートからひらりと落ちるだろう。
拾い上げた写真の裏に魔法陣が描かれている……
記録魔法陣からの音声
ハロウ!君がこの写真を見つけてくれるのを待っていた。
君はこの『エレナ・アンブローズ』をどう思っただろうか?
『約束の地』アヴァロンとともに忽然と姿を消した魔女――もう随分と昔の話になる。
もうとっくに彼女は死んでいるはずだって?
確かにそう思うのも無理はない、何せ200年は前の話だからね。
でもこれで終わっちゃ音声を残す意味なんてないだろう?
単刀直入に言おう!エレナ・アンブローズは生きている!
……彼女に会ったことがあるのかって?ああ、そうだよ。僕はエレナ・アンブローズに会ったことがある。一度だけね。
居場所
彼女はこの世のどこでもない場所に閉じ込められている。時間、空間、すべてに彼女は切り離されたんだ。
満月の夜
やり方さえ知っていれば『誰でも』会える。……ま、彼女のご機嫌次第だけどね。
満月の夜だけ、彼女の閉じ込められた場所と僕らの暮らす世界に橋が架かる。とても細くて、心もとない橋だけど。
湖に浮かんだ月だよ、忘れないで。
――写真は、砂のように崩れ去った。
満月の夜。あなたは水面に映る月に向かって飛び込んだ。
水の中に沈んでいく感覚と、遠いところで扉が開くような音が聞こえる。
浮遊感、けれどあなたは浮き上がるわけではない。
上に、上に、沈んでいく感覚。
「──また一人、迷い込んできたのね」